失敗を科学する 

今回は、全体会議でやっている障害報告についての説明です。

当社では、毎月の全体会議で障害報告の発表というのをずっと行っています。

障害報告とは、失敗したり、トラブルになったケースを担当者が時系列にまとめ、今後どうすれば再発防止できるか?をまとめたレポートで、それを全員の前で発表していくもので、多い時は月に5~6件くらいあります。

 

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当初、この障害報告をはじめた時に、私が口をすっぱくして言ったことは、障害報告は決して、失敗した人へのペナルティーではなく、あくまでも再発防止のための情報共有の場である、ということです。

企業にとってクレームや障害にどう向き合うか?というのはとても重要です。

もし、私がプロ社長で、色々な会社に派遣されて、その会社の経営を見直すとしたら、まず最初に何をやるか?というと、まずお客様相談センターにいって、その会社へのクレームの内容をみて、次にこれにどう対応しているか?をチェックします。どのようなクレームが発生していて、どう対応しているか?が、実は企業の「つゆだく」で、ここをみると、その会社のカルチャーや抱える課題、考え方が大体わかります。

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一番ダメな会社は、失敗をペナルティーとしてとらえている会社です。失敗にはペナルティーを、という発想だと、まず皆さん、失敗を隠そうとします。これが一番ダメです。せっかくの貴重な失敗談が社内に活かされていきません。失敗が起きるのは当たり前なので、そこからどう改善していくか?が腕のみせどころだという意識があれば、オープンな環境で失敗に向き合うことができます。

私は神奈川県出身で、よく江の島とか鎌倉に行くんですが、鎌倉で山に登ると、注意すると道の横に小さなかまぼこ板を縦にしたみたいな目印が建っています。これは何か?っていうと、過去にここまで津波で波がきたよ、という目印なんだそうです。結構、山の上なのに、この目印が残っている。だから、この上まで逃げなさいという意味です。これこそが先人の知恵で、障害報告はまさにこういうものを目指しています。

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また、講演をしている時によく感じるのは、皆さん、誰かの失敗したお話が大好きです。失敗談を話すと、身を乗り出して聞いてくれます。自慢話ばかりの講演では皆さん、スヤスヤ寝おちしますが、「失敗して辛かった」なんて話しは目を輝かせて聞いてくれます。

人は誰かの失敗談が大好きなので、当社はまず、入社した人には同じ部署の障害報告に目を通してもらいます。理由は、同じ穴に落ちないように、最初に先輩たちの失敗をインプットしてもらいます。

そして、自分が失敗したら、それを記録して残す。自分たちなりの改善策も記載して、後輩が同じ穴に落ちないようにする。そうやって全員が失敗を共有することによって、全体の質を上げていくことを目指しています。

失敗は恥ではありません。むしろ勲章です。なぜなら、たくさんチャレンジしたからこそ、失敗があるからです。失敗を貴重な事象としてとらえ、そこから何を吸収できるか?を考えて下さい。

そしてあなたの失敗が、これからの後輩たちのスキルアップに繋がっていくんだ、ということも意識して、書く時は、記録に残ることを意識して、なるべく客観的に時系列で、役割分担も明確にしたものを書くようにして下さい。

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よろしくお願いします。

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