対岸のサル

今回は、発明のお話しです。
発明の世界では「対岸のサル」という話しがあります。

離島で、一匹のサルがスイカを海に放り投げて割り、海水につけて食べるとおいしいと気づきやり始めると、別の離島でも同時に同じことをやるサルが出てくる、というものです。

これはアイデアやインスピレーションは、空間を超えて移動し伝染するものである、という考え方で、不思議なことに世界中でたくさん起こっている現象です。

実際に見ると、同じ時期に同じような特許を出す人は驚くほど多く、本当に驚きます!
だから特許は「1秒でも早く登録した人に権利が与えられる」という方針を取っています。

とにかく、いいアイデアや発明は1秒でも早く特許を申請しないと、思いついた人に盗られちゃいます。だから急いで出願しないとダメですよ!というものです。

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私は以前よく、発明セミナーの講師をやっていました。上記のような内容や、知的財産と呼ばれるものの中味や権利を取る方法などを紹介するセミナーです。

知っている人が意外と少ないのですが、まずは知的財産には5つの種類があります。

まずは特許、これが一番強くて、なかなか取れません。素材も新規、考え方も新規じゃないと取れません。権利も20年と一番長いです。

次が実用新案、これはよく通販番組なんかで聞く言葉で、高枝切りばさみとか、布団圧縮袋なんかで、素材は古くてもいいので、組み合わせで取れる比較的お手軽な権利です。すでにある機能に+αの機能でも取ることができます。権利の期間は10年です。

あとは意匠、これはデザインです。グッドデザイン賞っていうのがこれです。

意外に知られていないのが商標で、これは名前です。「通勤快足」といった靴下や、ソニーといった社名も商標です。昔ホリエモンが「阪神優勝おめでとう」という商標を取ってしまい、他の会社が使えない、なんていう問題が起きたのも、この商標です。ドコモも一般の人が特許を取っていて、ドコモが何億で買い取ったという話も有名です。商標は意外に権利が強く、10年ごとに更新ができるため、子孫が相続できたりするので、商標を取りまくって売るプロがいたりします。

最後に知的所有権です。これは小説とか、コミック、楽曲、著作権のようなもので、20年権利があります。

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これらのものは、思いついたら、まず特許庁で先願(せんがん)調査をします。もしないようなら、特許庁に出願します。すると特許庁で審査をして結果を通知してきます。通常は、弁理士という専門の職業の人たちが出願のお手伝いをします。
なかなか1回で通ることは少なく、何回かの審査を経て結果がでます。取れると証書が届くのと、番号がくるので商品にその番号をつけて、権利の有無を明記できます。また特許庁のサイトで、この番号を入れると、申請書類が閲覧できて、具体的にどんな権利なのか?の中味を見られるようになっています。

ただ申請しても2年間は審査にかかるため、公にはされません。よって、2年たっていきなり特許が表れて、2年分の権利費を支払え!なんていうのがあるため、この2年間のことを「サブマリン特許」なんて呼ばれています。

 

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特許や実用新案などの権利を取ると、企業に権利を貸し出してロイヤリティーをもらえたり(卸の3%から5%)、自分で作って販売した際に同じような商品があったら権利侵害を訴えることができます。ちょっとでも知っていると、色々な選択肢があるのでマメ知識として知っておいた方がいい知識です。

是非、発明についての知識をゲットして、特許や実用新案などの知的財産を活用できるようになって下さい。

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SMBCセミナーでもあるようなので、是非、受講してみて下さい↓
https://v2.nex-pro.com/training/1146/apply#t2

ちなみに、発明のコツは下記の3つです。
1.まず思いついたことをとにかくメモを取り、どうすればいいか?を考えること。考えるのは当たり前で、とにかく考え続けること。
2. 思いついたら、実際に自分で作ってみて試してみること。
3.使ってみて良かったら、先願調査をして特許をとり、売り込みを開始すること。

発明好きな人は売り込みが下手な人が多いので、とにかくひたすら粘り強く売り込むこと。自分の発明にこだわらないで、柔軟に色々な人の意見を取り入れていくこと。売り込みも倍率の高いところを狙わないで、売り込み慣れしていないような企業を狙うこと。私はとにかく1アイデアにつき100本ノック、100人から意見を聞くことを心がけていました。

「発明は電車と同じ、動いてナンボ」なんですね!

まずは身近な問題を考え続ける癖をつけて下さい(*^-^*)

 

 

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