今回は戦略についてのお話しです。
戦略とは何か?というと、戦い方です。戦い方はおかれた状況によって全然違います。
わかりやすい例でいうと、運動会の騎馬戦を連想して下さい。
同じ騎馬数で、同じくらいの体格のクラス対抗の騎馬戦だったらいいですが、こちらが20騎馬しかいないのに相手が100騎馬だったり、1000騎馬もいた場合は、同じ戦い方では勝てません。
また、同じ騎馬数でも、こちらが中学生なのに相手は大学生だったり、プロレスラーの集団だったりした場合も、同じ戦い方では勝てません。
環境も、晴れの日ではなく、大雨の中だったり、霧の中だったりしたら、作戦を変えなければなりません。そういった状況に応じた作戦を考えないと、あっさり負けてしまいます。
これと同じことが、ビジネスの世界でも日常的に行われています。
当社のような中小企業が大手企業と同じ戦略をやっては絶対に勝てません!
小が大を制する方法は一つしかありません。
自分の強みに特化して、一つの分野で一番になることを目指すことです。
こういう戦略のことを「ランチェスターの法則」といいます。
具体的な事例をあげると、
・沖縄のオリオンビール
・静岡のさわやかハンバーグ
・函館のラッキーピエロ
・甲状腺専門病院の伊藤病院
などがあります。
沖縄のオリオンビールや、静岡のさわやかハンバーグ、函館のラッキーピエロは、どんなに人気でも県外や市外に出店しません。誘いがあっても断ります。理由は、その地域でしか買えない、食べられない、というのを明確なウリにしているからです。「食べたかったら、ここまで来てね」というの姿勢を貫くことにより、ブランド化に成功しています。
そして、コストも日本全国に展開せず、地域に特化していることにより、大幅に抑えられます。浮いたコストを、更に地域内に展開したり、広告宣伝費、採用費、材料費などに反映できます。
伊藤病院というのは、原宿にある甲状腺の専門病院です。とにかく甲状腺に特化して、グーグルで「甲状腺 病院」と検索すると、伊藤病院が一番に出てきます。
とにかく歴史が長く、甲状腺に特化した治療でぶれがありません。広末涼子さんも綾香さんも、絶対にここに通っています。断言できます。東京都の病院なら100%、伊藤病院に行きなさいと言われるからです。
おかげで症例数はどんどん増え、難しい合併症の症例もたくさん集まります。症例数が多いから、難しいと診断された甲状腺の患者はまず、伊藤病院にきます。そういった好循環が生まれ、たくさんの症例数や論文ができ、日本でトップクラスの専門病院となっています。このぶれない姿勢こそが、私たちが目指すビジネスモデルです!
助成金のスタッフに「目指せ!伊藤病院」と言っているのは、助成金や補助金の情報収集に特化することによって、様々なケースの症例が当社に集まり、複合的な申請ができたり、政府や自治体にもの申したり、経年変換によるトレンドの変化を把握できたりするようになり、そういった事例が集まれば集まるほど、どこの銀行でも、税理士でも、「まず助成金なうに相談してみたら」と言ってもらえるようになります。
だから、そういった方向性をめざしましょう、と言っています。
営業のトークスクリプトに「全国の駅図の76%のシェアを持っていますよ」というのも同じ戦略です。
全国の駅図なんて、売上的には大したことないかもしれませんが、駅図に特化して、採用事例を多く持っていれば、他社の動向や時代のトレンド、お上の意向などを一番理解して、少なくても、信頼を裏切ることはない、と思ってもらえます。
小さいことだけど、日本一になっている。しかも相手は鉄道事業社で、そう簡単に直取引きしてくれそうもない企業と、直接取引をしている、というアピールは、会社の信用にもなっています。
駅図シェア日本一は、たまたまではありません。
セールストークの中で、日本一であることをアピールできるようなものを開拓する、という戦略上の産物です。
当社は一点突破を目指しています、というのはこういうことです。
「幕ノ内弁当に名物なし」というのは、本当です。
コロッケの名店もあれば、唐揚げの名店、いかめしの名店もありますが、幕ノ内弁当の名店は聞いてことがないでしょう。
何でもできます、というのは、何もできない、と同じことなんです。
ビジネスでは、自分たちの強みに特化し、そこで勝負すること。〇〇なら△△と言ってもらえるようなビジネスを展開すること。これこそが、少ない人数で大へ対抗できる、唯一無二の戦略です。
覚えて下さい。