さて問題です。
「あなたがロボットにペットボトルの水を手にもって飲ませる、という一連の行動をさせるために、必要と思われるコマンドを全て書き出しなさい」(制限時間10分)
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幾つ書けましたか?
これは私が参加した、ロボット工学を経営に応用するというセミナーでの問題です。
多い人で大体20~30のコマンドを書きますが、実際の正解のコマンド数は74個です。
まず一つ目のコマンドは「ペットボトルを見る」です。
このように一連の動きを全部書き出していきます。
これを営業に応用するとすると、ざっくりと下記のようになります。
問い合わせが入る→資料を送る→電話、メールをしてアポの依頼をする→訪問して(あるいはオンライン上で)商談して説明をする→相手のニーズを聞く→見積もり出す→その後どうか?連絡する→質問に答える→受注する →発注書や契約書を締結する→仕様を詰める→納品する→請求する→入金を確認する
といったところでしょうか?
この一連の作業の中で、特に重要なものを〇で囲み、そこだけを何度も繰り返し練習することによって、新人を早くにキャッチアップさせる、というのが、ロボット工学を経営に応用させるセミナーの主旨です。
例えば、営業で最も重要なのは、最初の商談での説明や、ヒヤリングして相手のニーズや競合情報や価格感をつかむ、精度の高い見積もりを作成すること、クロージングすることの4つの作業が最も重要な行動だとしてたら、そこだけのシーンを繰り返し同席して反復させたり、ロールプレイングさせることによって、早くコツを習得させます。
先ほどの、「ロボットにペットボトルで水を飲ませる」という一連の作業の中で、最も重要な難しい作業は、「水を口元に持っていく、水を飲ませる」という2つのコマンドなので、そこだけを何回も繰り返して練習させることによって、一連の作業の安定化をさせるそうです。
この手法は軍隊などでも使われていて、それまでの主流だったコーチングに替わって、今では主流になっている手法だそうです。
確かに一時期、コーチングが流行りましたが、コーチングは教える人に寄り添って、かなり手間暇をかけて教育しなければならず、時間もかかるため、大量にもっと早く人を育てたいというニーズには向いていません。
ロボット工学は一連の作業を書き出す、重要なものをピックアップし、反復練習をさせるだけ、なので実用的で、結果にすぐに結びつくので有効です。
例えば、水泳なら、飛び込みとターンだけを何回も繰り返し、テニスならサーブだけを徹底的に練習する、ボレーだけを徹底的に練習すれば、とても早いスピードで結果を出すことができるようになります。ビジネスだけでなく、スポーツや趣味など、色々なことにも応用できます。
当社はこのロボット工学を経営に応用する、というのを主に、営業のロープレ選手権や殺し文句の収集などに積極的に活用しています。
迅速に、効率的に結果を出したい時に、この手法を活用してみて下さい。