インターネットで検索するたびに、目に飛び込んでくるインターネット広告。
デジタル化を背景にその勢いは加速し、なんと2021年のインターネット広告費は、マスコミ四媒体広告費(新聞広告費、雑誌広告費、ラジオ広告費、テレビメディア広告費の合計)を初めて上回ったそうです。
急成長中のインターネット広告ですが様々な配信方法があり「自社でインターネット広告を活用したいけれど複雑で分からない…」という方も多いのではないでしょうか。
そこで今回はインターネット広告の一つ、多くの企業が導入しているリスティング広告について基礎知識をまとめてみました。
インターネット広告の種類
まず最初にインターネット広告とは、インターネット上のWebサイトや検索エンジンを活用した広告のことで、デジタル広告、オンライン広告、web広告とも呼ばれます。
主な種類としてはWebサイト上に表示されるディスプレイ広告、アフィリエイト広告、SNS広告、そして検索エンジンの検索結果に表示されるリスティング広告があります。
リスティング広告とは
皆さんがインターネットでキーワード検索をすると、表示されたページに広告が出てくるかと思います。
これがリスティング広告です。
リスティング広告は最も身近な検索エンジンであるGoogleとYahoo!が展開しているもので、大きく2つの種類に分けられます。
まず一つが検索結果に広告を出稿する検索連動型広告。
もう一つが外部のWebサイトに出稿するコンテンツ向け広告です。
今回は一つめの検索連動型広告についてお話していきます。
リスティング広告運用のメリットとは
従来の広告とは違うリスティング広告には、多彩なメリットがあります。
リスティング広告の特徴も踏まえてみてみましょう。
メリット1:的確なターゲットにアプローチできる
リスティング広告の特徴の一つが、ターゲットの絞り込みに優れていること。
ユーザーの年齢層、性別、居住地域、興味関心事、インターネット上の検索・閲覧履歴などのデータをもとにして、的確なターゲット(=見込み客)に広告を配信することができます。
メリット2:費用対効果が目にみえる!
例えば従来の紙面広告では「どれだけの人が広告を見てくれたのか?」「そのうち実際に購入したのはどれくらいか?」といった細かいデータをとることはできませんでした。
一方リスティング広告は表示回数、クリック回数、問い合わせ件数などを確認できます。
さらもコンバージョントラッキング(※)という機能を利用すれば「どの広告に、いくら広告費を使い、何件の問い合わせがあったのか」が容易に分かります。
(※その広告を利用したユーザーが、問い合わせや申込み、購入などに至るまでどのように行動をとったかを追跡する機能)
つまり費用対効果が分かりやすいのが大きな特徴です。
メリット3:リアルタイムで効果UPも狙える「運用型広告」
リスティング広告は配信したら終わりではなく、配信中にも戦略的に働きかけが可能です。
広告主がターゲットや予算、配信内容を自由に変更し効果を高めることができる、いわゆる運用型広告なのです。
例えば途中経過をみながら予算や広告分の設定変更といった調整ができますし、極端にいえば、出稿後に費用対効果が見合わなければ配信を停止することも可能です。
このようにユーザーの動向をもとに改善点をリアルタイムに把握し、迅速かつ柔軟に対応できるのもリスティング広告ならではです。
メリット4:低コスト、簡単出稿
後述しますが従来の広告と違い、低コストであるのもメリットの一つです。
またオンラインで手続きができ、スムーズな出稿が可能です。
例えばGoogleの広告審査は基本的に1 営業日以内とされており、「急ぎで広告を出したい」という場合にも有効的に活用ができます。
リスティング広告運用の仕組みは?費用は?
従来の折込チラシなどの広告媒体は「コストがかかる」というイメージがあり「リスティング広告も高いのでは?」と思っている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
リスティング広告の広告費は基本的にクリック課金となります。
クリック課金とは、その広告がクリックされたときに広告費が発生する仕組みです。
1クリックにかかる広告費はオークションで決定されます。
(ちなみにオークションは大きく分けて手動入札、自動入札があります)
そのほか一部には、広告が表示される回数で広告費が発生するインプレッション課金という仕組みもあります。
広告にかける予算が限られている場合は、予め予算を設定しておけば、その予算上限に達すると自動的に広告配信が停止されるという機能もあるので安心です。
リスティング広告運用のデメリット
このように強みの多いリスティング広告ですが、残念ながら弱みも存在します。
デメリット1:競合との広告枠争い
リスティング広告のうち、一般的である検索連動型広告の広告費はオークション形式となっています。
競合が少ないキーワードの場合は1クリック1円から出稿できますが、同じキーワードで出稿している競合が多いほど広告費が高騰し、1クリックで数千円かかる場合もあります。
そのため予算規模の大きい企業ほど有利な傾向が見られます。
デメリット2:運用者のスキル次第で成果が変わる
リスティング広告は決まった広告メニューや配信方法を組み合わせれば、様々な方法で展開ができる運用型広告です。
そのため運用者のスキルやノウハウ次第で大きく成果に差がでます。
またリスティング広告は配信方法などのアップデートも非常に早いため、日々の運用業務だけでなく常に最新情報を取り入れ、効果的な運用ができる人材が求められます。
代理店に依頼する、もしくは社内で担当を育成する、どちらの場合もある程度のコストや期間を見計らう必要があります。
【アンケート調査】ユーザーはネット広告を正直どう思っているのか?
多くの企業が導入しているインターネット広告ですが、実際にユーザーはどう感じているのでしょうか。
ここでナビットが独自に行ったアンケートの結果をみてみましょう。
今回全国の主婦を中心とした941人のモニター会員を対象に、インターネット広告についてアンケート調査を行いました。
【調査】
質問:ネットを閲覧する際に使う機器は何ですか?(対象:941人)
近年より高まっているスマートフォンの普及率。
この結果からも分かるように、ネット閲覧にスマートフォンを利用している方が半数を超えています。
【調査】
質問:よく見るインターネット広告はどの様なものですか?(対象:941人)
よく見る広告のタイプとして多かったのは、画面の端に表示される画像広告。
まさにリスティング広告のうち、検索連動型広告と言われるものです。
次いでコンテンツや記事間に表示されるタイプの広告、Youtube等の広告と続きました。
質問:インターネット広告についてどの様に感じていますか?(対象:941人)
インターネット広告については「邪魔」と感じている方が64%という結果。
インターネット広告を不快に感じている方が多くいらっしゃる事が分かります。
質問:インターネット広告が表示された際に行うことは何ですか?(対象:941人)
先の質問で「インターネット広告が邪魔」と感じる方が目立った一方、広告表示後のアクションでは「気になったり、興味のある広告は内容見る」という答えが約3割あがりました。
質問:商品紹介の広告から、購入したことはありますか(対象:941人)
インターネット広告を見て商品を購入したことがあると答えた方は約1割と少ない傾向です。
また若干数ではありますが、購入した事はないけれど検討したことはあるという方がいることも分かりました。
ユーザーを惹きつけるリスティング広告運用のコツ
ナビットが行ったモニターアンケートの結果から、インターネット広告の運用には大きな課題があることが分かりました。
それはユーザーに不快感を与えることなく「見てみたい」「購入したい」と思わせる、パフォーマンスの高い広告を配信することです。
また、先のアンケート結果にもあったように「購入した事はないけれど検討したことはある」という経験をされている方も一定数いることから、商材自体が成約へとつながる決め手に欠けていることも課題の一つかもしれません。
それではどんな広告でユーザーにアプローチするのがよいのでしょうか?
そのためには次のようなコツが挙げられます。
コツ1:広告文で自社の強みをアピール【3C分析が有効】
リスティング広告は競合と比較されることが大前提と考えるなか、広告文はパフォーマンスを大きく左右する非常に重要なものとなります。
大切なのはユーザーの興味を引くと同時に、他社には負けない自社の強みをアピールすることです。
そして自社の強みを捉えるため、最初にしておきたいのが3C分析です。
3C分析とは3つの視点で自社を分析する手法です。
①顧客・市場(Customer)
②競合(Competitor)
③自社(Company)
まずは上記に挙げた3つをそれぞれを分析し、顧客のニーズ、競合の状況、自社のポジショニング、強み、改善点を把握します。
さらに3つの視点から総合的に分析をすると「どのようなキーワードを使いどのような広告で訴求すべきか?」といった、今後とるべき戦略が見えてくるのです。
顧客・市場の分析方法
例)Google広告のキーワードプランナーなどのツールを活用する。
競合の分析方法
例)市場での競合相手と自社のWebサイトを参照し、それぞれのビジネスモデルを表にして比較分析する。
自社の分析方法
例)社内で意見を出し合いながら、自社の強みをリストアップしていく。
3C分析をもとに、競合の広告文と比較しながら広告文を作成していきましょう!
コツ2:広告を最適化し、パフォーマンスを向上【費用対効果アップ】
先に述べたとおり、リスティング広告は運用型の広告です。
そのため広告を出稿した後の管理、またデータを活用し広告を最適化する作業が必要となります。
現状の広告に問題はないかを確認、データ分析により改善点を見つけ適切に改善する。
このサイクルを繰り返し、広告のパフォーマンスを高めることで、結果的にユーザーに響く訴求ができるのです。
コツ3:ランディングページとWebサイトの最適化【商材を明確に訴求】
リスティング広告の大きな役目は、ユーザーを自社サイトへ誘導することです。
ですのでせっかく広告をクリックしても、遷移先のページ(ランディングページ)や自社のWebサイトにおける商材が魅力的でなければ費用対効果が得られません。
自社のランディングページを見直し、内容、ページ表示スピード、デザインなどの改善を行いましょう。
商品やサービスの魅力を明確に訴求し、ユーザーの成約に導くランディングページやWebサイトが構築されているからこそ、リスティング広告のパフォーマンスも高まるのです。
リスティング広告運用でパフォーマンスを最大化
今回お伝えしたのはリスティング広告についての、ほんの導入部分です。
リスティング広告を含めたインターネット広告市場は目まぐるしくアップデートされ、AIを活用した広告運用や動画広告の拡大など、コロナ禍においてもさらに進展していくと思われます。
また最新の市場や競合の動向を知り、自社を発展させるためにも、今後インターネット広告は必須ともいえるでしょう。
ユーザーのニーズや自社の強みを捉え、パフォーマンスを最大化にするリスティング広告の運用を、ぜひ始めてみてはいかがでしょうか。
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