11/12(水)AIの「学習」とは? 〜AIはどうやって賢くなるのか〜

こんにちは。ハリ丸です。

今回も前回に引き続きAIについて話そうと思います。

最近よく耳にする「AIが学習した」「AIが進化した」という言葉。
でも実際のところ、AIはどうやって学んでいるの? と疑問に思ったことはありませんか?

AIの“学習”とは何をしているのかを、たとえを交えてわかりやすくお話ししようと思います。

ai3学習

1. 「AIが学習する」とはどういうことか?

人間で言えば、勉強をしたり経験を積んだりして「パターンを覚える」ことが学習です。
AIも実はそれと似ています。
AIの学習とは、大量のデータから「法則」や「傾向」を見つけ出すこと。

たとえば
・猫の写真を何万枚も見せる → 「これが猫の特徴だな」と覚える
・売上データを分析する → 「この時期に売上が上がりやすい」と傾向をつかむ

AI自身がルールを見つけるので、「プログラムで一つずつ教える」必要がありません。

2. 学習には3つのタイプがある

AIの学習方法は、大きく3種類に分けられます。

① 教師あり学習
答え(正解データ)を一緒に教えて学習する方法。
たとえば、「これは犬」「これは猫」というラベル付きの画像をたくさん見せて、
AIが「犬」と「猫」を見分けられるようにします。

使われる例
・画像認識(写真から物を見分ける)
・メールのスパム判定
・声から言葉を聞き取る音声認識

② 教師なし学習
答えがないデータを渡して、AI自身にパターンを見つけてもらう方法。
たとえば、「似た性質のユーザーをグループ分けする」といった用途で使われます。

使われる例
・おすすめ商品の提案
・顧客のタイプ分析

③ 強化学習
「試して→結果を見て→少しずつうまくなる」タイプの学習です。
ゲームで勝ったらご褒美、負けたら罰、のように報酬を与えながら成長します。

使われる例
・将棋や囲碁のAI
・自動運転
・ロボットの動きの最適化

 3. AIは「覚えている」わけではない

「AIが学習する」と聞くと、「データを全部覚えている」と思われがちですが、
実際には覚えているのではなく、“法則を圧縮して持っている”というのがイメージとしては正解です。

たとえば、人の顔写真10万枚を学習したAIは、10万枚を保存しているわけではなく、「目の位置や輪郭のバランス」「肌の色のパターン」などの特徴を数値化して記憶します。だからこそ、AIは見たことのない顔でも「これは人間っぽい」と判断できるのです。

ai学習

4. 生成AIも学習の延長線上にある

ChatGPTのような「生成AI」も、基本はこの「学習」をベースにしています。
大量のテキストデータを学習し、「単語と単語のつながり方」や「文の流れ」を統計的に理解しているため、自然な文章を自動で作れるのです。
つまり、AIは「言葉を理解している」わけではなく、膨大なデータから“言葉の使われ方”を学んでいるということになります。

5. AIの学習=人間の経験の積み重ねに似ている

AIの学習は、人間でいう「経験」や「練習」に近いものです。たくさんの例を見て、失敗と成功を繰り返しながら、少しずつ精度を高めていく。違うのは、AIは何百万回でも疲れずに練習できるという点。

たとえば、人間が自転車に乗れるようになるまで1週間かかるとしたら、AIは同じことを1秒で1万回試せるようなものです。だからこそ、人間が一生かかる経験を、AIは数時間で積み重ねることができるのです。

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まとめ

AIの学習は魔法ではありません。
「大量のデータを見せて、パターンを掴む」──それだけのことです。
でも、その“積み重ね”が今の驚くほど自然な会話や画像生成を支えています。
AIは、人間が「経験」から学ぶように、データから学び、失敗から成長していく存在とも言えます。

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