今日は、「フォント」のちょっとしたお話。「フォント」というのは「明朝体」とか「ゴシック体」とか、そういった「統一された文字デザイン」を表したものとでも言えるのですが、いまやコンピュータで誰しもがいろんなフォントを選択し、印刷したりすることでお店のメニューやポスターなどを簡単に作ることが出来るようになりました。
街にあふれる看板も、現在ではコンピュータで文字を書き、それをそのまま紙やフィルムにプロットしたり、カット文字としてシートにカットしたりして作れてしまいます。
でもコンピュータもシートカット文字もなかった昔は、こういった看板の文字は、看板屋が筆などで直に文字をトタンや木の板に書いていたり、厚めのアクリル板に手書きで文字を下書きし、それをくりぬいて作ったりしていたのです。まさに職人の仕事でした。
そんな、「むかしの看板」も、だいぶ姿を減らしてしまいましたね。だけど、開業が昭和35年の都営浅草線の三田駅ホームで、そんな看板がまだ、見られます。
厳密に言えば、三田線への乗り換え案内。三田線の三田駅開業は昭和48年なのですが、それでもじゅうぶんに古く、「都営三田線 のりば」「ホーム先の連絡通路へ」の文字は、アクリルの立体文字です。
ご覧の通り、コンピュータが弾きだす記憶されたフォントと違い、いかにも手作り感な感じが炸裂。しかも、「都営三田線」の文字が貼ってあるパネルは、何かの上に「かぶさって」います。
これは、かつて三田線が、開業から昭和53年まで「都営6号線」と呼ばれていた名残なのではないかと推測しています。
きっと、この「都営三田線」の文字のパネルの下には、「都営6号線」という文字が踊っているのでしょう。そういう話にワクワク萌え萌えしませんか…って、ふつう、しないですよね(笑