神保町ネタがちょっと切れているので、最近読んでいる本の紹介をば。
最近出た本で「トレードオフ」といいます。
トレードオフ…一方を追求すれば他方を犠牲にせざるを得ない、
背反する状態・関係のこと。
副題には『上質をとるか、手軽をとるか』とあり、この本の中では、
上質を選んだ商品、手軽さを選んだ商品のそれぞれについての
事例(主に失敗事例)が紹介されていて、なかなか興味深いです。
たとえば、上質なコーヒー店として成功したのち、
店舗を拡大しすぎて普通のコーヒー店になりつつあるスターバックス。
また、格安航空会社が常識外れの低料金を実現したら、
すぐにアメリカン航空がこれに対抗できる料金を実現しつつ、
かつ質は相手より高くすることで受けて立ったという例も。
ティファニーが「手に届くラグジュアリー」の路線を取ったら、
「安いアクセサリーブランド」を連想するという顧客調査結果が出てしまった、など。
この本の内容を一言で表せば、『中途半端はだめである』ということ、つまり
『何もかもできるという錯覚に陥ってはいけない。
成功したければ、上質か手軽か、その一方を選びなさい』
ということだそうです。
ここでさらに重要なのは、
・上質さや手軽さの定義は、時間とともに変わる相対的なものであること
・何を上質もしくは手軽と感じるかは、セグメントによって異なり、
これは消費者が起点となること
とのこと。
この本によれば、iPhoneもすでに前述のスタバのような岐路に立っているそうです。
販路を拡大した結果、上質さと手軽さの両立ができなくなっているとのこと。
私ももともとはアップル使いであったので、この先は気になります。。。